右の楽器が私が所有している Chapman Stick (R) です。
チャップマン・スティックとは Emmet Chapman氏により考案されたまったく新しいスタイルの弦楽器です。
日本ではKingCrimsonのベーシストであるトニー・レビンの演奏で有名です。私も初めてこの楽器を知ったときはベースの一種かあるいはリズム楽器の一種だろうと思っていました。
その歴史、奏法などについてはStick Enterprises,Inc.のサイトに記載されていますが、要は弦をピッキングするのではなく、弦を押さえることにより音を出します。 ギターで言うところのハンマリングやプリングで演奏します。
弦を弾くことがないので、右手でメロディーを、左手でベースやコードを演奏することができます。
一見するとギターとベースが1本のボディーに収まっているように見えますが、実際に弾いてみるとその演奏スタイルはギターというよりもピアノに近いです。

材質は木ではなくポリカーボネートです。(かなり重い・・・)
このモデル、海外のサイトではGraphiteと記載されていることがあるのですが、製作者であるEmmett Chapman氏はPoly-Carbonateと言っているので、やはりグラファイトとは異なるのではないでしょうか?

音はとてもやさしい、独特な音です。
右のモデルはポリカーボネート製ということもあり、やや明るめの音ですが、木製のStickはなんとも言えないまろやかな音がします。
バイオリンなどとは異なり、弦を叩くため立ち上がりのアタックはありますが、ギターよりもソフトな立ち上がりです。最近では女子十二楽坊でよく聴かれる楊琴(ダルシマー)も弦を叩くという意味では似ています。(広義ではピアノもそうですね、弦をフェルトのハンマーで叩くわけですから)

このモデルは10弦ですが、他に12弦のGrand Stick(R)、8弦のStick Base(R)もあります。
右の写真の通り、真中から外に向かって弦が細くなっています。これらは向かって右半分の5本がメロディー用、左半分の5本がベース用となっています。
チューニングは1弦(向かって最右)から順に
            D、A、E、B、F#  C、G、D、A、E
となっており、「Classic」というチューニングです。(以前はStandardと呼ばれていたが最近はClassicと言うようです)
チューニングパターンは他にもいくつか数種類あるようですが、興味のある方はStickEnterprises社のサイトをご覧ください。

ピックアップ部分は変則六角形のユニットになっていて、ベースとメロディーをステレオで出力します。

※写真をクリックすると拡大写真と補足説明を見ることができます。


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